2007年 原油高騰による深刻な被害に実効ある対策を求める緊急申し入れ
2007年12月19日
山形県知事
齋藤 弘 様
日本共産党山形県委員会
県委員長 後藤 太刀味
日本共産党山形県議団
団 長 笹山 一夫
副団長 渡辺ゆり子
原油の高騰で石油が大幅に値上がり山形県民の暮らしに深刻な影響が出ています。ガソリンや灯油の値上がりは異常な状況です。3年前(12月)に比べレギュラーガソリンは1リッターあたりで36円上がり154円、灯油は18リッターあたりで750円上がり1711円(12月10日現在いずれも店頭価格、石油情報センター調べ)となっています。
荘銀総合研究所の第5回消費動向調査(9月)では自由回答で「ガソリンが高すぎる。車がなければ生きていけない地域なのに、すべてが高すぎる。」など多数の回答者が悲鳴を上げています。
県農政企画課は施設園芸農家の原油高の影響を試算し公表しましたが、2005年2月の上昇前に比べA重油は2.3倍、灯油は1.7倍に高騰し影響を受ける農家は園芸農家の62.6%に及ぶとしています。漁業者、ガソリンスタンド、クリーニング店、トラック運送業、タクシー業者など燃料油を使う業種では経費の大幅な上昇で営業が圧迫されています。また学校、福祉施設も暖房費が不足する事態に直面しています。
日本共産党国会議員団は4日に政府に申し入れを行い、「福祉灯油」など寒冷地、低所得者向けの支援策や離島対策を国の政策で制度化すること、運送業者、中小業者、農林漁業者ら被害を受けている方々への緊急の減税など実効のあるきめ細かい措置を求めました。(申し入れ文書参照)
福田内閣は11日に原油高騰対策の「基本方針」を発表し「福祉灯油」を支給する自治体への支援など一定の対策を打ち出しました。しかし国がどれだけ負担するのか、支援の規模はどれぐらいかなど肝心な点ははっきりせず、今後の具体化のためにいっそうの働きかけが必要です。
このような状況のもとで県として下記の事項について緊急に対策を講ぜられるよう要請します。
記
1、 県において次のことを緊急に実施されたい
- 北海道が実施している低所得者(生活保護世帯、障害者世帯、母子父子世帯等)向けの「福祉灯油」、生活福祉資金の拡充などの補助制度を整備すること。
- 中小・零細企業に無利子融資や県単融資の返済繰り延べ、各種減税の対策を講ずること
- 燃料油高騰の影響を受けている農漁業者に市町村、農協、漁協と連携して支援策を進めること
- 学校、医療・福祉施設の暖房費を確保すること
- 対策本部を設置し県民生活の影響を調査し迅速な対策を講ずること
2、 国に対して次の事項を要請されたい
- 異常な原油・石油価格高騰を抑えるため国際的な投機マネーを規制する国際的協調の実現のためにあらゆる方策を検討すること
- 石油製品や食料品・日用品などへの便乗値上げの監視を強化し、灯油量の確保と価格の引き下げのための緊急対策をおこなうこと。「福祉灯油」など寒冷地、低所得者向けの支援策を国の責任で制度化すること
- 地方バス・鉄道その他の公共的交通機関へ財政支援をおこなうこと
- 中小企業に対する緊急融資、保証制度を創設すること
- 運送業者、中小業者、農林漁業者などの負担を軽減するため、国の責任で緊急の減税措置を講ずること
以上