2011年 東日本大震災に係る要望書
日本共産党山形県委員会の本間和也委員長と渡辺ゆり子県議は、6月29日吉村美栄子知事に東日本大震災に係わる要望書を渡して懇談しました。吉村知事は、改めて「原発やめて自然エネルギーへの転換が必要」と強調しました。
2011年6月29日
山形県知事 吉村美栄子 様
日本共産党山形県委員会
県委員長 本間和也
日本共産党県議会議員
渡辺 ゆり子
東日本大震災に係る要望書
未曾有の大災害から3ヶ月が経過し、被災者と県民に国・県がどのような役割と責任を果たすか問われています。
東日本大震災・東京電力福島第一発電所の放射能漏れ事故は、日本のみならず、世界に衝撃を与えました。ドイツ政府は2022年までに原発の全面撤退を決定し、スイスも撤退脱原発を表明しました。福島県の隣県である我が山形県の知事が「脱原発」を表明したことは、世界的にも意義があり、心から賛同するものです。さらに全国へ「脱原発」の声を発信していただくよう期待いたします。
また、福島県・宮城県から5000人を超える方々が県内に避難されています。一次避難所の縮小・閉鎖にともない、県の「民間借り上げ住宅」などの積極的な支援もあり、避難者が二次避難所(ホテル・旅館・公営住宅・民間借り上げ住宅などに)に移行したたことは、プライバシーが守られ、事態が好転したようにも見えます。
しかし、その反面、避難者にとって、一次避難所でこれまで補われていた情報、食料、コミュニティーも一部に失われている状況も見られます。県民にとっても避難者が「どこに」「どれだけ」いるのか分からない状況が生まれ、避難者支援が難しくなった側面もあります。
それゆえ、今後の県の支援のあり方が重要と考えます。避難は長期化する様相を呈しています。
避難して助かった命が、決して失われることのないよう「いのちと暮らしを守る県政」が発揮されることを願い、以下の要望を行います。
- 国に「原発からの速やかな撤退」を求め、県として、国まちにならず、自然エネルギーの本格的導入に力を尽くすこと。
- 知事を先頭とした県幹部が、避難者が二次避難をした場所(民間借り上げ住宅など)に訪問し、避難者の要望を直接聞き、引き続く支援策を表明すること。
- 一次避難・二次避難に限らず災害救助法23条の「給付」の実施を検討すること。避難者が県内に避難していることに鑑み、特に同条2項の実施(食品給与などの費用)を、被災県任せにせず、県が国に積極的に要望すること。
- 被災者の2次避難(民間借り上げ住宅・公営住宅など)により、被災者の「住居」を知りうるのは行政のみとなりました。孤独死を決して出さないよう、保健師などによる訪問活動を全世帯に行うこと。県は市町村を支援すること。
- 被災者の雇用保険の求職者給付切れが懸念されます。全国平均よりも低い東北の有効求人倍率に鑑み、他県の知事と共同で求職者給付の「全国延長給付」の発動を国に求めること。
- 避難者が「被災地」「制度支援」の情報等の入手を熱望しています。開設されつつある支援センターの設置を県として市町村に支援すること。
- 避難者のプライバシーを配慮しつつも、避難者支援ボランティアを促進すること。
- 民間借り上げ住宅の対象者を宮城県の自主避難者にも拡大すること。震災で職場が被災し、宮城県から山形県に避難した青年が対象となっていません。
- 6月はじめ、雇用促進住宅に入った避難者から「クーラー」が設置されないので、自分で設置することになりそうだとの声がありました。エアコン等について記した厚労省通知「東日本大震災に係る災害救助法の弾力運用について(その8)」(平成23年5月30日)を避難者に周知すること。
- 阪神淡路大震災における仮設住宅で起こった事象(孤独死、買い物難民)を教訓として、避難者の支援に生かすこと。場合によっては、兵庫県に知見ある職員の派遣依頼も検討すること。県は市町村にその知見を広げるために、リーダーシップをとること。
- 福祉施設の被災者受け入れは、施設負担になっている(ユニット個室に1名のところを2名など)ことがみられ、受け入れの長期化も予想されることから、介護報酬の増額など国に要望すること。
以上