2019年 病院リストラを狙った厚労省の公表に抗議と地域医療を守る対応を求める要望書

2019年10月4日

山形県知事 吉村美栄子様

日本共産党山形県議団
団長 渡辺ゆり子
関  徹

 政府は、本年9月、厚生労働省の会合で「統合再編の議論が必要」だとして424病院の実名(県立河北病院、町立真室川病院、公立高畠病院、酒田市立八幡病院、寒河江市立病院、朝日町立病院、天童市民病院)を公表しました。
 山形県内の病院数は公的病院の割合が高く(約4割)、公的病院は、高度急性期、不採算医療の提供など、県民医療にとって重要な役割を果たしています。
 そもそも、2016年に作られた県地域医療構想は、国の詳細な指示に基づいて、全国一少ない療養病床を始め、医療資源の不足による受療率の低さなどを反映しないものとなっています。
 厚生労働省が名指しした酒田市立八幡病院は、既に日本海病院と統合再編され診療所になっており、町立真室川病院は、今春新たな常勤医を確保して住民の大きな期待が高まっています。今回の公表は、実情を見ない乱暴で稚拙なものと言えます。
 その後、各地域毎に、関係者による議論がおこなわれていますが、仮に国の算定式のみに基づいて再編統合をすすめれば、病院が廃止・縮小された地域では、必要な医療の提供が困難となり、集約された医療機関では、今でも厳しい労働条件で働いている医師をはじめとする医療従事者らの流出にもつながりかねません。
 山形県は、公共交通機関の整備が不十分な中で、高齢化による運転免許返納もすすみ、今ある公的病院に通院するのも困難な方が増えています。
 住民が地域に住み続ける上で必須のサービスである医療の縮小は、地域の存続を一層困難にするものであり、地方創生の理念にもそぐわないものとなります。
 県におかれましては、国に対して今回の「公表」に抗議し、誰もが、いつでも、どこでも、安心して受けられる医療を確保する立場から地域医療整備の議論を進めるよう要望いたします。